歯ぎしりについて
歯ぎしり(ブラキシズム)とは
歯ぎしり(ブラキシズム)とは、無意識に歯を強く噛み締めたり、こすり合わせたりする習慣や行動を指します。主に夜間の睡眠中に起こることが多いですが、日中にも発生することがあります。歯ぎしりは、歯や顎、歯周組織に対して様々な悪影響を及ぼすことがあります。
歯ぎしりの種類
睡眠時ブラキシズム(夜間歯ぎしり)
睡眠中に無意識に歯を噛み締めたり、こすり合わせたりする。
多くの人が気づかずに行っていることが多いです。
覚醒時ブラキシズム(日中歯ぎしり)
起きている時に無意識に歯を噛み締めること。
ストレスや集中時に発生しやすいです。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因は複数あり、以下が考えられます。
TCH(Tooth Contracting Habit):歯列接触癖
TCHとは、上下の歯を持続的に接触させる癖のことです。
1日24時間に上下の歯がしっかりくっついている時間はご存知ですか?正解は20分程度といわれています。異常がなければほとんどの時間で上下の歯は接触していないのです。
微弱な力でも接触時間が長ければ筋肉が疲労してくるため、顎関節は押さえつけられることになり、感覚が敏感になり痛みを感じやすくなります。
TCHがあるからといって必ずしも不快症状がでるとは限りませんが、TCHがあるか自覚することが大事です。TCHは無意識のうちに行うことが多いのですぐにやめれるものではありません。
例えば、パソコンやテレビ、机の隅に、なにかしら自分でわかるマークを貼っておいて、それを見たら上下の歯を離すようにする、などを行なうとよいでしょう。
ストレスや不安
ストレスや心理的緊張が原因で、無意識に歯を噛み締めてしまうことがあります。
不正咬合
噛み合わせの問題が原因で、歯ぎしりが発生することがあります。
遺伝的要因
家族に歯ぎしりをする人がいる場合、遺伝的な影響があると考えられています。
生活習慣
カフェインやアルコールの過剰摂取が歯ぎしりを悪化させることがあります。
睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が原因で歯ぎしりが発生することがあります。
歯ぎしりの症状と影響
歯ぎしりの症状や影響は多岐にわたり、以下のようなものがあります。
歯の摩耗
歯の表面がすり減り、歯が短くなったり、感覚が敏感になったりします。
歯の損傷
歯が欠けたり、ひび割れたりすることがあります。
顎の痛み
顎関節や周囲の筋肉に負担がかかり、痛みや不快感を引き起こします。
頭痛
顎の緊張が原因で、頭痛が発生することがあります。
歯周組織の問題
歯茎や歯周組織に炎症が起こりやすくなります。
耳の不快感
顎の問題が原因で、耳の痛みや耳鳴りが生じることがあります。
歯ぎしりの治療方法
歯ぎしりの治療にはいくつかの方法があります。
マウスガードの使用
寝るときにマウスガードを装着することで、歯への直接的なダメージを防ぎます。
ストレス管理
ストレスを軽減するためのリラクゼーション法やカウンセリングが役立つことがあります。
噛み合わせの治療
歯科医師による噛み合わせの調整や治療が必要な場合があります。
生活習慣の改善
カフェインやアルコールの摂取を控え、規則正しい生活を心がけることが重要です。
運動とリラクゼーション
ヨガやストレッチ、マッサージなどを取り入れて、筋肉の緊張を和らげることが効果的です。
まとめ
歯ぎしりは多くの人が無意識に行っている習慣であり、歯や顎、全身にさまざまな悪影響を及ぼすことがあります。適切な治療や対策を行うことで、歯ぎしりの影響を軽減し、健康な歯と顎を保つことができます。歯ぎしりが気になる場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。